カリオット

ジェネレーション・ウォーのカリオットのレビュー・感想・評価

ジェネレーション・ウォー(2013年製作の映画)
4.4
全てが崩れ去っていく。
たまたまその時代に生きていた若者の話。誰にでも起こりうるのではないだろうか。
恐ろしいことに人間はどんなことにも適応してしまう。それがどんなに異常なことであっても、異常が日々続けばそれは日常になってしまう。弟の変貌が一番劇的であった。人は変わる。
もしあのような戦争がなかったら彼らの人生はもっと違うものになっていただろう。ドイツ人だけどある意味被害者であると思う。
2話で出てきた電通局のシーン。結局あの基地自体無意味であったわけだが、そのために死んでいった兵士たちは何のために死んでいったのだろう?何もかも分からない。この世は無意味なことばかりだと思った。
パッケージのB級戦争映画っぽさに騙されないでほしい。もっと色々な人に見てもらいたい歴史大河ドラマです。


細かい点と個人的感想
・兄が死んだと勘違いした弟がヤケクソになって突入した時、後ろからずっと付いてきてた新兵、すごい。度胸ある。

・スターリンのオルガン、花火にしか見えない。

・2話で戦線が二つになったことを聞かされた兄が"我々には犠牲になれというのか"と発狂するシーンが(なぜか)一番好き。あのシーンの絶望感が東部戦線を表している。兄の方が精神的に参ってるのだろう…

・自分語りし始める=フラグ(突然自分の話し始める人がいたら注意、次のシーンで死んでる)

・AK(ポーランド国内軍)のその後の運命を思うと胸が痛む。彼らが本当の意味で祖国を取り戻すまでまだまだ先が長い…

・兄が敗残兵としてどうやってベルリンまで帰ってきたのか気になる。よく生きてたな。

・西部戦線の話がほとんど出てこなかったのが良い。あまり知られてないが、WW2はほとんど独ソである(戦場の規模や死傷者数など考慮したら)。まあアメリカやイギリスにとっては不都合だからあまり言わないだろう…。

Volker Bruchが大好きだと確認。カッコいい……トムシリングは永遠の推しだよ。
カリオット

カリオット