ぜん

ニューヨーク 眺めのいい部屋売りますのぜんのレビュー・感想・評価

3.7
【ありふれた日常こそが幸せ】

原題は、『5 Flights up』
「5階上る」といった意味だが、
結婚40年を迎えた老夫婦。
ましてやエレベーターがない5階の部屋。
階段の上り下りは老夫婦にとっては
困難を伴う。
このまま住むことは厳しい。
ということから老夫婦は、
家を売りに出すことを決意する。

部屋の窓からはウィリアムズバーグ橋が
一望できる眺めの良い部屋。
そして何より40年の夫婦の思い出が
たくさん詰まった部屋。
黒人と白人の結婚。
定年を機に愛犬ドロシーを飼う。
辛いときも楽しいときも乗り越えてきた
大切な部屋。

便利さだけが大事なのではない。
本当に大切なことは二人の心が満たされること。
二人で一緒に思い出が詰まったこの街、
この部屋に住むこと。
長年連れ添ってきてこんな夫婦関係で
ありたいなと思うほっこり温まる映画でした。

モーガン・フリーマンの
優しく包み込むような笑顔。
こんな歳の重ね方をしたいものです。

邦題につられて観ましたが、
観てよかったです。
ぜん

ぜん