このレビューはネタバレを含みます
必要だからという理由で本当は本意じゃないことを進めようとする時がある。
恐らく多くの人が身に覚えがあるんじゃなかろうか。
家。
というものは特に想いの宿るものなんだろう。
40年も暮らせば尚更。
(筆者の祖父母もかれこれ50年程住んでいる住み辛い家から離れられずにいる)
足が悪いのに階段がハードで、って結構年寄りにはシビアな問題。
だからこそしぶしぶでもなんとか家を売って新しい家を買おうとしたんだろうけど…
でもやっぱりやめた。
あとちょっとで決まりそうというところで、テレビで見たテロリスト扱いされる青年を見て、やめた。
世間を騒がせた犯人である青年を実際に映像で見て、冤罪かもしれないと思ったのか。
はたまたこんな青年を凶行に走らせたものはなんだったのかと青年を憂いたのか。
何を思ったんだろうか。
そこがちょっと汲み取りきれなかったのだが、自分の解釈では、
良いと思っても悪いかもしれない
悪いと思っても良いかもしれない
というぐらい物事は不確かだと。
だから40年住んで、こんなにも離れたくなくて、実害があっても売りたくないこの家。
こんなに信頼できるこの家を売る必要などない。
本当に住めなくなるまではこの家と共にありたいと。
いうことだったのだろうか。
でも家も、男女もそうなのかも。
パートナー、夫婦と言うよりもパートナーと呼びたい主人公夫婦だった。
信頼と慈愛に溢れた本当に素敵なカップル。憧れる。