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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

3.3
赤狩りの対象となってアメリカ映画界から追放された脚本家ダルトン・トランボを描いた伝記映画。
原作はブルース・クックが執筆した評伝「Dalton Trumbo」。
監督はジェイ・ローチ。
原題:Trumbo (2015)

1940年代のハリウッドで活躍していた脚本家ダルトン・トランボは、冷戦の時代になり、「ブラックリスト」に記載され「ハリウッド・テン」の一人として「赤狩り」の標的となる。
共産党員だったトランボは、共産主義者を排除しようとする合衆国議会のHUAC(下院非米活動委員会)の公聴会に召還されるが、証言を拒んだという理由で投獄される。
11ヶ月後、釈放されて家族のもとに戻るが、アメリカ映画界から追放され、仕事を失なう。
そのため、偽名を使って、大量の格安B級映画の脚本や、「ローマ休日」「黒い牡牛」などの名作の脚本を手掛ける(この2作はアカデミー脚本賞を受賞)。
そして、遂に「スパルタカス」(1960)で再び実名を使うことを決意する…。

ラストは、亡くなる直前のトランボによる演説で締める。

~登場人物~
・ダルトン・トランボ(ブライアン・クランストン)
・妻、クレオ(ダイアン・レイン)
・娘、ニコラ( エル・ファニング)
・娘ミッツィ (メーガン・ウルフ)
・息子クリス (ミッチェル・サコックス)
・コラムニスト、ヘッダ・ホッパー( ヘレン・ミレン): 赤狩りの急先鋒。
・アーレン・ハード(ルイ・C・K):知人。赤狩りの標的。癌を患う。
・フランク・キング(ジョン・グッドマン):トランボにB級映画の脚本を依頼。
・俳優、エドワード・G・ロビンソン( マイケル・スタールバーグ):ハリウッドを追放される。
・脚本家、イアン・マクレラン・ハンター( アラン・テュディック):「ローマの休日」(1953)でトランボに自分の名義を貸す。
・俳優、カーク・ダグラス( ディーン・オゴーマン):主演と製作を務めた「スパルタカス」(1960)で、トランボを実名でクレジットに載せる。
・監督、オットー・プレミンジャー(クリスチャン・ベルケル): 「栄光への脱出」(1960)でトランボを起用。
・俳優、ジョン・ウェイン(デヴィッド・ジェームズ・エリオット): 赤狩りに加担したMPAPAI(アメリカの理想を守るための映画同盟)」の一員。
・監督、サム・ウッド( ジョン・ゲッツ): 「MPAPAI」の一員。
・ロイ・ブリューワー( ダン・バッケダール):「 MPAPAI」の理事長。
・MGMの支配人ルイス・B・メイヤー( リチャード・ポートナウ):赤狩りに協力。

「赤狩り」は合衆国の負の歴史の1つだが、標的になった人たちだけでなく、加担した人たちにも深い傷を残しました。
本作は、アメリカ映画らしく、トランボと家族の関係(確執と和解)も織り込まれています。
俳優では、トランボ役のブライアン・クランストンと、コラムニスト役のヘレン・ミレンが印象に残る。
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