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トランボ ハリウッドに最も嫌われた男の010101010101010のレビュー・感想・評価

3.5
ハリウッドの赤狩りの話は聞いたことがあったが、こんなふうに闘った人物がいたとは。
率直にいえば、かっちょいい。
でも、きれいごとだけではなかったことも描かれている。いろんなものを犠牲にしつつ(主に家族やな)乗り切ってきた。(ギリギリのところで家族を繋ぎとめていた妻、そして協力してきた子どもたち!)
娘さんが公民権運動を支援していた姿もよかった。
エンタメとして申し分ないし、またある種のマイノリティをエンパワーするところもある作品だと思う。

それにしても、トランプ政権が生まれる前年の映画だ。
公開から数年(じきに10年?!)を経た現在を見るに、ポピュリズム、排外主義、陰謀論、情報戦、様々な分断…、民主主義がまっとうに機能しているとは言えないような事態が、当時よりも顕在化してきているように感じられる。
一方で、英米では「ジェネレーション・レフト」(資本主義に批判的な若者世代)という言葉が生まれているのも事実だ。
まったくもって楽観はできないが、しかしまっとうに声を上げ闘う人や、それに賛同する声も目に見えるようになってきた。
くじけず、しぶとく生きていくこと。時代は変わる。切り拓くことはできる。
勇気づけられる映画。