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毛ぼうしのKKMXのレビュー・感想・評価

毛ぼうし(1997年製作の映画)
4.0
実は、20世紀の昔に岩井俊二映画をよく観ていました。『スワロウテイル』とか『ピクニック』とか。でもまったく覚えていなくて。たぶんあまり好きじゃなかったのだと思います。

で、唯一覚えていたのが本作。本作だけはめちゃくちゃ好きで、繰り返し観ました。なので本作が自分にとってのイワシュン暫定ベスト作品であります。
しかし本作はショートフィルムというか、豪華なPVです(だから繰り返し鑑賞が可能)。ムーンライダーズの『ニットキャップマン』という曲のPV。『ラストレター』の予習(?)のため、サラリと再鑑賞しました。イワシュンの作品を観るの、たぶん21世紀初です。めっちゃ名作。ただ、完全なるお遊びムービーなので、予習になるかは疑問でありんす。


本作は、文豪の元に訪れる編集者イトイと、ひょんなことから知り合った川べりに住むニットキャップを被っているホームレス・フジオさんの心温まる交流を描いた、ちょっぴり泣けるハートウォーミングガーエー…もといPVです。
楽曲の中だけで2人の交流を描ききり、さらにフジオさんの栄光ある過去をサラリと見せるイワシュンの鮮やかすぎる手腕には絶句します。切ない余韻が残りました。

造りは完全に小津ちゃんのパロディで、初鑑賞時は当然わからなかった。構図だけじゃなく、リフレインギャグも小津ちゃんオマージュでシビれました。
ヒロイン(?)のお手伝いさん役・浜家優子が非常にキュート。当時から超カワイイと思っていましたが、改めてみるとちょっと微妙ながらも品があり、自分の好みの普遍性に驚愕。子どもとなじられたとき、無駄なアップで「26です…」と呟くシーンは初鑑賞時はたいへん萌えた記憶があります。で、改めて観ても萌えた。
超適当な役で出演する頭脳警察のパンタも、別にギャグって感じじゃないけどなんか残るんですよ。

とはいえ、本作のキモはムーンライダーズの名曲『ニットキャップマン』です。改めて聴くとホントいい曲だな!ムーンライダーズは初期しか知らないため、90年代のムーンライダーズも掘ってみようと思いました。


本作は優チュ〜💋撫で観れますよ。

♪テトラポットの〜途切れるところぉ〜
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