片腕ファルコン

キッド・クラフ~少年パッキャオの片腕ファルコンのレビュー・感想・評価

3.3
ボクシングを知らない人でも名前聞いた事あるはずのマニー・パッキャオの少年時代の映画。

『キッド・クラフ』って何だよ!って思っていたらパッキャオの少年時代の選手名なんですね、そう考えるとベストなタイトル!!

ボクシングを始めるまでの貧しさと突如ゲリラ戦に巻き込まれるような壮絶な環境の事実に度肝抜かれました。

そこからブルース・リーの『死亡遊戯』を見て、マイク・タイソンの試合を見てパッキャオ少年はボクシングに目覚めていくのですね!!

余談ですが、ファルコン少年も『ロッキー4』のビデオを毎日見て、弟にボディを何度も打たせて、辰吉の試合を見て、インターバル中は僕自身がシャドーボクシングをして共に戦うという訳分からん事していた幼少期。あの情熱ドコいった!!

母親の入院費のためにボクシングの試合をするパッキャオ少年。ここ唐突に試合をしたような描写だったけど実際そうだったんでしょうかね?
才能もあったのでしょう、その後は叔父さんと特訓もして試合をしていく訳だが母親は反対するという。

この映画の肝は個人的には「お母さん」の気がします。病気こそなりますが、すごく威勢が強くてパッキャオにボクシングを教える叔父さんに、私と戦え!と構えてみせたり、息子にも同じような事したり破天荒!!

反対されながらもボクシングを続けたパッキャオ少年は勝利を重ねて知名度を上げていく訳ですが、安定期に入った所から、皮肉にも作品としては若干元気がなくなるように感じました。
そもそもパッキャオが弱音を吐かないひたむきなキャラなので仕方ないのでしょうが、良くも悪くも淡々としてしまっている印象。

それでも1つ大きなターニングポイントが訪れて、そこも初めて知る事実なので驚きました!

ラストの高揚感たまりませんでした!!
ハリウッドのボクシング映画のような派手さはありませんが、誇張なく事実に基づいた伝記映画なのでしょう。(本人お墨付き)
見て損はないと思いますー