シネ・リーブル池袋のNTLive夏祭りから1本目✨✨
1950年代のNYを舞台に移民と貧困に絡めた、偏見や人間の尊厳、人間の奥底に潜む闇を描いた重厚な人間ドラマ✨
これは16作の中でもそこまで優先度高くなかったんだけど、期待以上にかなり良かった…。
イギリスの演劇のレベルの高さよ…。
このセンス…この重厚さ…この熱量…。
これを毎日、毎公演、この演技を繰り返してるなんて、想像しただけでもゲッソリする😨
家の中という限られた空間の中でのみ展開する会話劇。
セットも小道具も最小限に留めたシンプルな形。
だからこそ際立つセリフとキャスト陣の演技。
緊張感溢れる探り探りの食卓の風景でも、一定リズムの効果音がすごく印象的で、耳にこべりついた。
叔父と姪。
2人の密接な関係が、最初は恋人同士かなと思わせるくらい、かなり違和感があるが、これが後々響いてくるとは…。
衣装替えもほぼなく、唯一、17歳の姪キャサリンのトップスだけが、変わっていく。
最初は白地に淡く可憐な花柄の模様。
恋心を強く抱いて現れる次の場面では、かなり鮮やかで目に眩い全面花柄に。
そして、同じ花柄でも終盤はモノクロへと変化する。
彼女自身の成長と変化にリンクする様が良いなぁ🌺✨
そしてラストの衝撃的な演出!
演劇であんな美しく、生々しくて、残酷な画が観れるなんて、思ってもいなかった…。
冒頭に聞いた水の滴る音と、同じ音のはずなのに、一音一音が響く毎に、息が苦しくてなるのを覚えた。
思えばあの冒頭は悲劇の予見だったのか…。
次第に不穏な方向へと進んでいく物語。
少しずつ、少しずつ歪さを増し、終盤には後戻りの出来ないほどに悲劇へと、急速に転がり落ちる。
自らの本心から目を背けながらも、覆い隠せない欲望が歪んだ形で露見する。
少しずつ異常性を帯びていくエディの姿を演じた主演のマーク・ストロングの圧巻の演技…めちゃくちゃ怖かった…。
今作は2015年のオリヴィエ賞で最優秀リバイバル賞・イヴォ・ヴァン・ホーヴェの演出賞・主演のマーク・ストロングの主演男優賞を受賞🏆✨
同年にBWでも公演され、翌年のトニー賞でも最優秀リバイバル演劇賞を受賞🏆✨
あぁ、観れるものなら全部観たい…NTLive…