ひろぽん

超高速!参勤交代 リターンズのひろぽんのレビュー・感想・評価

3.0
『超高速参勤交代』の続編
前作で無事に江戸へ辿り着き、帰りはゆっくり帰れるかと思いきや、湯長谷藩を壊滅させようとまたもや老中・松平信祝(のぶとき)の策略で藩内で一揆が勃発して急いで帰る羽目になる。藩内での一揆を抑えるために戻ったものの、城は既に乗っ取られていた。貧乏小藩が知恵と工夫を凝らして困難を乗り越え、悪企みする老中に立ち向かっていく物語。


参勤交代は帰るまでが参勤交代。ということで、前作で描いた江戸までの往路の道のりから変わって、今度は湯長谷藩への帰路と奪われた湯長谷藩奪還のお話。

前編後編のような2部構成で、前作と今作で1作となっている。だから、今作単体で観ても話しが分かりにくいので、前作を鑑賞した上で観ることをオススメする。

冒頭で湯長谷藩の武士たちがそれぞれの得意分野でお金を稼ぐシーンが個性溢れてて好き。

前作の時間もお金もない参勤交代をどうしようかというよりは、戦闘シーンが多いアクションがメインになっている印象。少数精鋭でも剣の達人たちが多い湯長谷藩の強さは見もの。

貧しくとも民思いで皆から好かれている藩主・内藤政醇の寛容な心と人柄の良さが、表情や振る舞いに滲み出ていてとてもホッコリする。今の日本の政治家にもこの人を見習って欲しいものだ。

激しいアクションと、ちょっとしたコメディ要素の笑いがクスッと笑えて面白い。ただ、前作とあまり代わり映えのない演出だから全体的に少し退屈かも。

例えお金がなく貧しくとも、心は豊かでいたいものだなと、人の上に立つ内藤を見て思う。佐々木蔵之介の表情の柔らかさや、方言の言葉遣いが落ち着く。前作にも増して、信祝の悪役感がさらに強くなっていてとても良いかった!

時代劇ものとしては見やすいし、ずっと観てたいなと思うほど登場人物たちの演技が上手い。
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