うさこ

カランダールの雪のうさこのレビュー・感想・評価

カランダールの雪(2015年製作の映画)
4.0
自然の中で生きる人間を描いているが、今作が優れているのはそのリアリズムである。まるでドキュメント映画のようだった。
険しい山岳の絶壁を鉱脈を探して這う主人公や、牛の脱糞の横での入浴、共に暮らす動物たちも新たな生命が誕生し、四季も冬、春と一年を通して描かれ、この暮らしぶりの描写のリアリティには感心してしまう。
そして、この作品は私達の生きる市場社会となにが違うのかを考えさせた。甲斐性なしの旦那を責める妻という夫婦のやりとりは環境が変わっても変わらない。私達は、求めている。良い暮らし、良いもの、そういうものをこの家族は求めていない。なにを求めて生きているのか、そんなことを考えさせられた。
脚本から完成まで4年。撮影は6週間。
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