部長

NY検事局の部長のネタバレレビュー・内容・結末

NY検事局(1997年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

法廷での戦いがメインかと思いきやあっさり解決したので、どうするのかと思ったら、後半は色んな人の思惑と事情が重なり、ものすごく重厚な話だった。

誰が裁判を担当するか揉めるシーンでは、結局は、世の中なんでも政治とは切り離せないな、言いたくなる。
なんていうと、悟って高いところから頷いているようだが、そもそも政治とは利害の調整であり、どんな営みとも切り離せないことは当然のこと。

しかし、司法は別である。
どんなくだらない手続きでも適正手続の保証は、罪刑法定主義と並ぶ大原則であり、政治的な判断が入る余地はない。

結局、若きアンディ・ガルシアの悩みの種は、手の汚し方をわきまえた先輩方の阿吽の呼吸によって、なかったことにされてしまう。
実際、ほとんどの人が気持ちとしては「それくらい別にいいだろう」と思ってしまうようなことなのだろうが、、

アンディ・ガルシアの最後のスピーチは、逮捕状の偽造を受け入れた汚れた自分と結果自殺までしてしまった父の相棒を厳しく批難した清廉な自分とのギャップに苦しむ中で振り絞った助言なのだろうか。
部長

部長