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映画は戦場だ 深作欣二 in『バトル・ロワイアル』のmuscleのレビュー・感想・評価

5.0
望遠の狭いフレームの中でどれだけのことをやってのけるか。室田日出男はその飲み込みが異常に早く、深作欣二はすぐにそれを見抜き、大成させるというストーリーを組み立てること。浦谷年良監督の編集は現場で監督が何をしているか、何を考えているのかを学ばせてくれる。単なる撮影の副産物に過ぎないメイキング映像からそれを組み立てる構成の仕方がうまい。すごかったねー以上のものを観客に持ち帰らせようとするサービス精神。私の言葉もそれに駆動させられている。このサービス精神が嬉しくもあり、ややくどくもある。もちろんそれは深作欣二もそうだし宮崎駿もそうなんだろうけど。

栗山千明扮する千草貴子のポーズに対し「腰を落とせ!」と注文しまくる深作欣二。助監督から菅原文太のポーズとの類似を指摘され「いいんだよいいんだよ、70年代に帰れ!」と叫ぶ。ここからGOGO夕張まで2年。

「かっちーん、神様いまなにいったの?」
「私の全存在をかけて、あんたを否定してあげる」バトロワ、セリフが全部イキイキしていて良い。それを拡声器必要ないくらいの大声で指示する深作欣二の言葉も生きている。

「言葉は嘘をつくが、身体は嘘をつかない」
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