このレビューはネタバレを含みます
「バトルロワイアル深作欣二。メイキング映画は戦場だ。」ビデオ2巻組。東映、メディアファクトリー鑑賞。
他俳優に沿ったメイキングもDVDで発売された気がします。
「バトロワ3D」を見に行く変わりに久々鑑賞。深作監督の素晴らしい演出術に酔いしれた。
ナレーションで「撮影後監督は、真っ白な状態に見えた」とあります。
杖をついて70才の監督、やはり無理をされたのかなーとも思いましたね。
毎回、朝の5時ぐらいまでの撮影。
肉体的にかなりつらそうです。
本作は息子健太さんの提案から。引きこもっていた健太さんから、映画化を持ちかけられた小説がバトロワだったようです。
深作監督は、15の時に戦地に赴き、飛び散った被災者の肉片の片付けをしたことが強烈な深作イズムとして残っているそうです。
深作監督の「死に際」にずーっとこだわる理由は、そこにあるんじゃないかと思いました。
また、カメラが手持ちでゆさゆさ揺れるのは、ニュース映像からの影響だそうです。
当時の手持ちのフィルムカメラ影響のぶれた映像を劇場で見て、さっそく処女作から行ったと言っています。
若手俳優陣は、オーディションで選ばれた800人中の40名、体力テスト等も実施。
本読み、グループワーク、アクションリハーサルを経て現場撮影に挑んでいます。
深作監督の素晴らしさ、リアクションの細かいこだわりとリアルなタイミング。
この粘りを是非必見!金がかかるもうワンテイクをかさねるんですね。
監督は、画面内でどれだけアクションするかが勝負と言ってます。
「もっと強く、お客さんに伝わらない」
と自ら演技をみせてぶつかり伝えます。
画面上配置も細かいです、上下左右に思うまま、リアルを損なわないアクションを模索しながら撮っていました。
監督の昔の作品演出風景が映し出されるんですが、バトロワの時とおんなじです。
死に際、倒れる瞬間をいかにとりあげるか並々ならぬこだわりがあることを確認しました。
それには、主役以外の受けの演技者にも強いリアクションが必要で、細かな指示が後ろの俳優達にも飛んでいきます。
彼らの苦労をみると俳優は、やはり大変ですね。
監督要求に瞬時に反応表現しなければならないその素晴らしさ。
飲み込み悪い方をみると不思議に同情心がわいてきました。
撮影は、北野武映画常連の柳島カメラマンでした、なんかみたことあるなぁと思ったら「ソナチネ」のメイキングでみていました。
ガンエフェクト、小道具、美術、照明、衣装、みんな一体となり作り上げる素晴らしさ。
私は、今回本作のVFXシーンをCGに移行しただけなんじゃないかな?
と思い「3D」版を見に行くのを止めました。
深作さんは、3Dなんて望んでは、いないと思いますよ、リバイバルで再上映は望んでいると思いますがね。
素晴らしいメイキングでありました!
ブログより転写