Hoshiduru

帰ってきたヒトラーのHoshiduruのレビュー・感想・評価

帰ってきたヒトラー(2015年製作の映画)
4.0
嘘であったはずなのに。

たった1つ、その真実を無視したから。ああ…嘘と現実が混ざり合っていく感覚。いや、元から嘘なんてあったんだろうか?

あくまで彼は真っ直ぐで正直で純粋で嘘を一度もつかなかった。そして周囲に敬意を払い、意見を聞いていた。彼のその姿はあくまで「行き過ぎたジョーク」であり、「キャラクター」の形をなしていた。彼の意見は正しく、人々は魅了された。

これまでのヒトラー像は臆病で自分自身をも欺きながら生きていたもののように表されていたと思う。そして、このヒトラーもそうであった。はずなのに。
とても頭が良すぎる。最初こそ戸惑うもののすぐに順応し周囲の求めるものを与えようとする。周囲の自分への目を認識した上で動く。彼は嘘をついていない。常に真実だけを語る。誰にも同意を求めていない。その瞳は極端に澄み、神を信じ、運命を受け入れる。

原作ちょろっと読んだけれど、萌えと恐怖が3倍になった気がする!私たちは常に無責任で、責任を取ってくれるものを探している。そらそうだ!(開き直り)この映画観てから変に背筋がシャキッとする。なのになんだか上手くいかない。よし!この映画のせいにしよう。それが、民衆なのだから。(意味不明)
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