ヒトラーは革命によって登場したのではなく、国民によって選ばれ登場したのだ。
いつの時代にも社会不安や排斥運動はあり、それを解決するための道筋を真っ直ぐ照らすことで大衆はいとも簡単にそれを
熱狂的に支持する。
最初のテレビ出演のシーンで
ホンモノのヒトラーさながらに
あえて沈黙を待つ姿に
鳥肌が立った。
「料理番組を垂れ流し、嘘で塗り固める
テレビへの痛烈な批判。ドイツ国民への熱き想い。」
ユダヤ人差別・ナチ・そして
ヒトラーそのどれもがタブー
だけど、
心の中で痛烈に感じている違和感を淀みなく言葉として表現する政治家
もといアーティスト
ヒトラーに震えた。
そして、それは
世界恐慌という混乱期を迎えた1930年代ドイツで生きた民衆の多くが思っていた不満。
金持ちのユダヤ人や戦勝国であるイギリス・フランスへのそれを巧みに言葉にし、大衆の支持を勝ち得ていった様に重なる。
2015年公開のこの映画
ユーチューバーの存在・移民問題・ユダヤ人と歴史認識・・・
ここにさらに高度にインターネットが発展した中で、天才扇動家ヒトラーという男が現れたらどうだろう?という壮大な思考実験。
繰り出される
痛烈な社会風刺・皮肉・パロディに大いに笑い、一気に引き込まれた。
皆さんはこの映画を見て
ヒトラーさん。出番ですよ?
そう聞こえるだろうか。
いやいや
世界は核兵器によって平和が保たれ
IT革命により悪いことが隠せなくなった中でリベラル化しているから、
ヒトラーさん。棺桶にお帰りください。
そう聞こえるか。
答えは神のみぞ知る。