喜連川風連

パーティで女の子に話しかけるにはの喜連川風連のレビュー・感想・評価

4.0
音楽パンクSFラブコメとは恐れ入った。

パンクによるロックの破壊はウイルスにより進化をもたらされた人類の歴史に似てる。

「君に感染したい、君のウイルスになりたい
ウイルスに感染した名残が遺伝子に残る。
ウイルスは救世主だ。
耳が光に透けている。
ペニスがピンクの蕾みたい。」

今のご時世、すごいセリフたち。

ある研究によると、人類の遺伝子の約6割はウイルス由来のものらしい。
ウイルスもある意味では必要悪で、進化を促すのに不可欠なのかもしれない。

白人と黄色人種で、重症者の割合が違うのも、遺伝子が経てきた旅が違うからだろう。

親が子供を食べる絶望。沈黙による自由。
資源を食べ尽くした挙句の絶滅。
こうした高尚なテーマとパンクロックのバカさ加減のズレを面白がれるかがこの映画の分水嶺な気がする。

背景美術がバッチリ決まっていながら、シュールな戦闘シーンと高尚な哲学とパンクロックが混ぜ合わさり、最高の風味。

加えて照明の使い方がとてもいい。
無垢と可憐と儚さを持ったヒロインが美しい。

「シュールな世界で美しい」は目指したい理想の一つ。こういうノリの映画好きだ。

決して万人受けしない奇妙奇天烈な恋愛SFラブコメパンクロック映画。

でも、もっとマシな日本語タイトルあったでしょ!?笑

思ってたのと違うレビューが多いのはひとえに、タイトルとポスターによる宣伝ミス。この手の映画が好きな人に届いてない。
喜連川風連

喜連川風連