イチロヲ

密猟妻 奥のうずきのイチロヲのレビュー・感想・評価

密猟妻 奥のうずき(1981年製作の映画)
4.5
永遠の愛情を注いでくれる男性との出会いを切望している夫人(風間舞子)が、公衆トイレに描かれている男根の持ち主を捜し出そうとする。幸せ探しに腐心する女性の冒険譚を描いている、日活ロマンポルノ。

主人公の自由主義的なハプニング性を楽しむための作品。脚本家いどあきおがシリアス路線で展開しているモチーフを、笑っちゃうレベルまで戯画化。「愛を与えてくれそうな男を見つける→失敗する」の反復が「喜劇と悲劇の表裏一体」を喚起させてくる。

「死んでしまうほどの悦楽」を追究するという出涸らしの題材が採用されているが、本作に限っては、脚本力と演出力の相乗効果が勝利を呼んでいる。主人公の言動では、自分の乳房を露出させることにより、恋敵の女をシャットアウトさせるシーンがカッコいい。

ロマンポルノの「ロマン」の部分は、突き詰めていくと「ツッコミどころ」と解釈することが可能。「んなわけねーじゃん!」→「でも、面白いからいいや」という感覚を、如何にしてハイセンスに盛り込んでいくか。そこに、ロマンポルノの醍醐味がある。
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