グラビティボルト

無限の住人のグラビティボルトのレビュー・感想・評価

無限の住人(2017年製作の映画)
5.0
今年ベスト。決して完璧じゃないし、ダレるんだが大好き。
滅茶苦茶泥臭くて、血生臭くて、血湧き肉踊る活劇!!!
冒頭の白黒から殺陣の美しさ、迫力に魅了された。凛と万次が出会う辺り三池までは原作をなぞるのだが、市川海老蔵演ずるエイクウが登場した辺りから原作から微妙に改変されていくのが巧い。万次の不死の源である血仙蟲を殺す血仙殺の効力を引っ張る事で木村拓哉演ずる万次の傷は徐々に増え、蓄積されていく。そして、彼が傷つけば傷つく程にその佇まいが原作に近づいていく‼
ラストの修羅場寸前の場面も好きだなぁ。万次が家屋の屋根から300もの刺客に吠えるのだが、その寸前に歌舞伎チックな風が吹くのが素晴らしい‼
三池崇史は藁の楯のクライマックスでも、「運命を示唆する風」を吹かせていたが今回もばっちり決めていた。
ラストの修羅場ではキャラが入り乱れての大乱闘になるのだが、場面が変わる度にカメラの位置を的確に変えていて飽きない作りだし、様々な武器を持ち替えていく万次の所作も荒々しくも美しかった‼
各キャラの戦闘を同じ画面に納めていたりアクション設計もしっかりしている。今年一番テンション上がった一作!!!!