昨年のGWに公開され、自身のレビューでも最低点をつけていた2016年“史上最大の大コケ映画”の『テラフォーマーズ』。メガホンを撮っているのは同じ三池崇史監督で主演はスーパースター木村拓哉。公開初日に鑑賞したが、やはりチャンバラとして観ればそれなりに楽しめるし、殺陣も素晴らしいので全体的な印象としては悪くないが、同じような作品の『十三人の刺客』『るろうに剣心』には及ばない。海外を意識したキャスト・画面作りの理解できるのだが、原作を掘り下げることは出来ず、アクション中心にするしかなかったのであろう。名ばかりのカンヌ映画祭への選出など、話題性はあるが、やはり今の情報社会では作品の良し悪しが興行成績は左右されるので、期待ほどの成績を残すことはできないであろう。しかしながら主演の木村拓哉は太刀さばきも上手く、貫録十分で「何をやっても〇〇タク」と言われるが、それは演出の問題とイメージを崩さない会社の方針であろう。そのスーパースターである存在感は突き抜けているのだが、「ＳＭＡＰ」も解散したこのタイミングで、作品も中に溶け込んでいく、存在感だけでない「本当の演技」を目指す時期が来たのかもしれない。
