トモ

無限の住人のトモのレビュー・感想・評価

無限の住人(2017年製作の映画)
4.8
これは凄いです!

時代劇、殺陣好きとして個人的に好みがあって、三池崇史監督の奇抜さとグロさは好きではなかったんですが、今回は比較的抑えられていたと思います(十三人の刺客と比較)

最初の白黒画面での殺陣シーン、この時点で全て心奪われました

昔の映画を観てるようで、でも殺陣のキレとスピード感が進化した今の殺陣なんです

以降キムタクが抜刀する度に鳥肌が止まらず

前述の白黒の殺陣シーンとラストの幕府軍VS万次達の殺陣はとにかく圧巻です

あと強敵との対決が、一旦引いて後から再登場するのではなく、1人に出会ってその場で決着する、1人の対決を濃厚にする事で敵方の層の厚さを印象付ける、

だから3人目位の強敵が出てきた時に既に層の厚さを感じて、市川海老蔵さんや戸田恵梨香さんの登場辺りで「メッチャ豪華だ!」って気持ちになります

無限の住人は万次が決して最強無敵の剣士でないところにおかしさがあり、死ぬ事が出来ない所に深さがあり、凜と出会って万次は少しずつ思いが変わる

自分が強く感じたのは結局は人それぞれの行動に善悪があり、じゃあ誰が正しいの?ということ

人を切ったり領地を奪ったり全部ダメでしょ?って事になるから答えなんかなくて、

だから万次が凜に俺は誰を斬ればいいのか問うた時に凜が「私を斬ろうとするひと全員」と言った言葉がスカッとしました

敵1人1人の背景もしっかり描かれていたし、映画を2本観たかのようなキャスティング、福士蒼汰さん、戸田恵梨香さんの比較的若手から山崎努さん、田中泯さん、山本陽子さん等重鎮の風格、その他演技派の市川海老蔵さん、北村一輝さん等々全員を生かし切った三池崇史監督凄い!

杉咲花さんの困った時のあの顔、たまらなくかわいい!あの表情する度にニヤニヤしてた、笑

キムタクの殺陣は大注目してましたが剣さばきの荒々しさとスピード感に加えて眼力、かっこよかった!

映画好き、とりわけ時代劇好きとして物足りなさを感じ、妥協しながら観ていた昨今(るろ剣は除く)、無限の住人には圧倒されたし鳥肌立ったし、爽快な気持ちになったし、劇場で拍手を 送りたいくらい満足でした
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