実質この作品がロビンウィリアムズ最後の主演作品となりました。
2002年の〝ストーカー〟〝インソムニア〟から今までのロビンのイメージが180度変わる作品に出続けるという現象が起き、ちょくちょくコメディ作品に出演していたが若い頃の元気というものがどこか見られず恐らく彼自身に精神の乱れや身体の老化に悩まされていたはずです。若い頃のキレのある動き、頭の回転力。今の自分にはあの頃の自分に到底及ばないと。
よく耳にするのがコメディアンの私生活。カメラの前では元気よく明るい姿を全力で見せるためカメラのない私生活ではネガティヴになる方が多いと。これは日本のお笑い芸人さんにも当てはまりますよね。ロビンの場合カメラの前というか人の前では常に明るく振舞っていて1人の時は想像がつかないほど暗い人だったそうです。
実は〝いまを生きる〟公開のイベントの際に来日したロビンはインタビューで〝笑いで自分を守っていたんだ〟という言葉を残しています。この言葉、亡くなった後に本当の意味を理解できたような気がしました。彼にとって〝笑い〟は身体の一部であったのです。
本作品も含めその〝笑い〟を全て削り取った作品に出演していたロビン。
そして本作と同年の2014年の夏に彼はこの世を去りました。