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恐怖と戦慄の美女のtigerpantsのレビュー・感想・評価

恐怖と戦慄の美女(1975年製作の映画)
3.1
リチャード・マシスンの短編小説を原作とした3話構成のオムニバス・ホラー。アマゾンプライムの定額配信にて鑑賞。

作品背景をよく知らずに観始めたので、2話が始まったとき「この女優、1話にも出ていなかった?」と思った次第だが、何のことはない、ミッド70sに活躍した女優カレン・ブラックが3話とも出ずっぱり(キャラは都度変わる)。

第1話「ジュリー」:優等生だがモラルに欠ける男子大学生が、地味めなメガネっ子の文学教師ジュリーに劣情を抱き、デート中に昏睡させてモーテルに連れ込み痴態を撮影。写真をネタに関係を迫るのだが。。。

第2話「ミリセントとテレーズ」:地味めなメガネっ子(またか!)の姉ミリセントが、淫奔でサタニズムに傾倒する妹テレーズを激しく憎みつつ、外界を恐れるあまり蟄居生活を送っていた。かかりつけの精神科医は、そんなミリセントが「問題の最終解決法を発見した!」という電話を残して連絡を絶ったことを不審に思い、アパートを訪れてみると!

第3話「アメリア」:母との関係に悩むアメリアは、恋人へのプレゼント用に(刃物を振り上げ歯を剥き出しにする)呪術人形を購入するが、ある晩誤って、人形の魂を封印していた腰の鎖を外してしまう。その晩、自らの意志で動き出した人形は、刃物を振りかざしてアメリアに襲いかかる。何度も、何度も!

第1話と第2話はいわばキ*ガイ女の大騒動みたいなプロットで、今どきのジェンダーナラティブに照らし合わせると「すべてを女性の狂気のせいにするのは、どうよ?」みたいなツッコミを入れられかねず、筋書きも予想を大きく外れない。でも、独特の70s感覚……カレン・ブラックに限らず脇役も含めて、演者たちのファッションや髪型や振る舞いを見てるだけで、これが飽きない。

本作に「伝説のオムニバス」的な評価を付与したのは……なんといっても第3話の呪術人形! 『チャイルド・プレイ』の原点とも言える凶暴さで(よく観ると、カレン・ブラックのひとり芝居であることはまるわかり)執拗に攻撃を続ける人形と、それから逃れようと必死になるカレンの死闘ぶりは一見の価値あり(暴力度も血の量も、3話だけダントツ!)

現代的な特撮技術を見慣れた目からすると、本作の撮影技法は子供騙しのレベルではあるのだが、それがまた逆に新鮮だったり、する(ところどころ眠たくなる話運びだとしても)
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