きぬきぬ

アナーキスト 愛と革命の時代のきぬきぬのレビュー・感想・評価

3.2
改めてアデル・エグザルコプロスはスクリーン映えのする美しい女優だと思った。特に遠景よりも彼女の皮膚感に肉迫したアップが良い。
物語的には時代の中で階級差別により虐げられた無政府主義者のグループに、警察のスパイとして入り込む野心家の青年ジャンの迷いを描いている。
権力と親愛の間でどちら側にも立てないジャンの状況と気持ちは理解出来るけど、同情出来るものではないな。タハール・ラヒムも今作はあまり良いと思えなかった。

貧しいながら教師を目指す自由な若い女性ジュディット(アデル・エグザルコプロス)の兄代わりで病弱で繊細なエリゼのスワン・アルローが良い!彼がスパイのジャンに特別な感情を抱いているのはわかっておりましたよ!でもジャンはそれを単に友情と思い、全く気づかずに拒否した形で、なんとも痛々しかった。

それと音楽は良いけど、ときに現代の音楽を入れて、斬新な印象も無きにしも非ずだけど、どうにもそぐわない気もしちゃったんだよな。
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