ぶみ

ハンガー・ゲームのぶみのレビュー・感想・評価

ハンガー・ゲーム(2012年製作の映画)
3.5
それは究極のサバイバル。

スーザン・コリンズが上梓した同名小説を、ゲイリー・ロス監督、ジェニファー・ローレンス主演により映像化したSFアクション。
文明が崩壊した近未来のアメリカを舞台とし、男女が殺し合う「ハンガー・ゲーム」に参加することとなった主人公等の姿を描く。
原作は未読。
主人公となる16歳の少女カットニスをローレンス、同じ地区から参加することとなった青年ピータをジョシュ・ハッチャーソン、カットニスの幼馴染ゲイルをリアム・ヘムズワース、過去の優勝経験者でカットニスの指導者となるヘイミッチをウディ・ハレルソンが演じているほか、ウィロウ・シールズ、アレクサンダー・ルドウィグ、イザベル・ファーマン、アマンドラ・ステンバーグ、ドナルド・サザーランド、エリザベス・バンクス、レニー・クラヴィッツ、スタンリー・トゥッチ、トビー・ジョーンズ、ウェス・ベントリー等が登場。
物語は、パネムという名の独裁国家と化したアメリカを舞台とし、貴族的特権を得ている都市キャピトルの市民が、反乱抑止を目的として、キャピトルを囲む12の地区から12歳から18歳の男女1名、計24名が選出され殺し合い、残った最後の一人に巨額な賞金が与えられる「ハンガー・ゲーム」の様子が描かれるのだが、まず魅力の一つは、公開当時22歳で少女カットニスを演じたローレンスの活躍ぶりであり、その佇まい、愁いを感じさせる顔立ちには、終始魅了させられたところ。
また、「ハンガー・ゲーム」自体は、所謂何でもありのサバイバルゲームで、広大ではありながら閉じられた空間の中、TV中継され、キャピトルの住人がその様子を楽しむという悪趣味極まりないものであり、その実況中継を担当する役を演じたトゥッチやジョーンズ、はたまたそんな悪趣味なゲームのトップに立つ大統領を演じたサザーランド等、キャピトル住人の怪演も見どころの一つ。
ただ、それなりに世界観の説明や、登場人物の背景を描くのに時間が必要なのはわかるが、スタートから一時間経っても肝心のゲームが始まらないのは、流石に長すぎるし、そのゲーム自体も、勝敗の行く末がプレイヤーについたスポンサーによるところが大きかったり、簡単にゲームのルールが変わったりと、緊迫感がありそうで、実はグダグダな設定であるのは残念なところ。
戦う少女というのは、ついつい惹かれてしまう魅力があり、最近の邦画にありがちな学生がワーキャー叫ぶだけの内容と思えば、はるかに楽しめたものの、前述のように、ゲーム自体に緊張感があまり感じられなかったため、もう少しコンパクトにすると良かったかなと思うとともに、一時期我が家のこどもたちがハマっていた、Epic GamesのTPS『フォートナイト』を何となく思い出した一作。

勇敢な少女には、バカげた衣装は似合わない。
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