harunoma

あやしい彼女のharunomaのレビュー・感想・評価

あやしい彼女(2016年製作の映画)
3.1
簡素で的確なカット割りに、ミュージカルではない何かを身に纏い、思いの外、多部未華子の代表作に思えるのは、多部未華子がコントすれすれに倍賞美津子の身振りをいじらしいまでに反復するからだが、ファンタジーへの変身が何のエフェクトもなしに、犯人を追って夜の商店街を走るだけで済ませてしまう演出に呆気に取られる新しさがあるのかないのか。参照と現代性のはざまで、遊びもあるにはあるが、あと一歩のところでとんでもない俗物に振ったELT的な楽曲、というかツーステップがすべてを凪いだまま終わらせてしまうのは、着想の走りだけの「この程度」というテレビの問題が今日も横たわっている。人畜無害なまでの多部未華子に未来はなさそうだ。ニワトリはハダシだ。
harunoma

harunoma