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風櫃(フンクイ)の少年のKKMXのレビュー・感想・評価

風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)
3.5
 淡々としながらも大変叙情的な作品。風格あるガーエーであるのはわかりますが、やはりシャオシェン刺さらず。
 本作の場合、劇伴がうるさくて観心地があまり良くなく、集中できなかったのが大きいですが、それ以上にハマらない個人的理由があります。


 台湾の片田舎・フンクイで暮らすダメな若者4人組。いわゆるヤンキーです。ケンカのトラブルで故郷に居づらくなり、うち3人が高雄という都会に出る。3人組のうちの1人の姉ちゃん(大変セクシー)のツテで仕事や下宿にありつくが、あんまりうまくいかない。主役っぽい地味顔の男は、下宿先の友人の彼女にほのかな恋心を抱く、というストーリー。


 いい映画だとは思うのですが、どうもダメなのは、俺は不良の話が嫌いなんですね。自分の過去と深く関係していてダメなんでしょう。

 俺はヤンキーではなかったですが、ヤンキーコミュニティで育ちまして、ヤンキーのあの無意味で寒い感じがダメなんですよ。しかも周囲の連中はフンクイの4人のようにチンピラでマイルドなヤンキーなんですよね。ものすごいイジメとか重い犯罪とかはなかったですが、そこそこ被害は被りまして。

 中学卒業したときに、ヤンキー3人組とキャンプに行ったんですよ。で、俺が寝てる隙にヤツラは原付をパクりにいきまして、おそらく明け方警察にパクられたのです。翌朝目が覚めたら、誰もいなくて、何事だ!とオロオロしていると、警察に連行された3人が現れて、これから警察に行くとのこと。結局俺ひとりでテントを畳んで帰るということがありました。腹立つわ〜!


 なんかフンクイの少年たちを見ていると、あの時の記憶が蘇り、「あ〜ウンザリだ!」と思った次第。
 美しい成長譚で、家族との別れもグッと来ましたが、残念ながら好きになれない作品でした。
いい映画だから⭐️はあんまり低くはしません。


*自分の過去に書いた感想文をざっと眺めたところ、ヤンキー臭い作品はことごとく低評価!『ミッド90s』もヤンキーっぽいという理由でダメでしたし。『全員死刑』は良かったですか、これはヤンキーの話ではなく貧困の話だったので好んだのだと思います。
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