#126 台湾巨匠傑作選
1980年代半ばの台湾を描いていながら、あまり古さを感じさせない、とても普遍的な青春映画。
最初のうちは、人物アップが少ないせいで、どれが誰やらよくわからないのだが、やがてキャラがはっきりしてくると、不親切なカメラワークが新鮮に感じられてくる。
生まれ故郷にも家族にも自分たちの未来にも、すべてに閉塞感しか感じられず、それを打破するには「兵役」しかない、そんな当時のモヤモヤが、うまく描かれている。
むかし観たときは、ヴィヴァルディやバッハの音楽が合っていないように感じたものだが、この歳になって見直すと、これはこれで味があるような気になった。