Binchois

風櫃(フンクイ)の少年のBinchoisのネタバレレビュー・内容・結末

風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

博打ぐらいしか娯楽のない離島で暇をもて余し、喧嘩に明け暮れる少年たち。現代の日本でいえば、片田舎の中学生の心境に似ているのだろうか。時間と国を越えて共感できるところがあった。
行き詰まった環境から逃れるべく本島(高雄)に上るも、鬱屈した心境を打破することはできない。一縷の希望たる女性と巡り会い、心を通わせられそうになったところで、突然の別離が訪れる。
少年の悲哀をあくまで淡々と描きつつも、そこには人間に対する候孝賢の暖かな眼差しが見て取れる。
蠅が群がる澎湖の食卓、交通整理が機能していない高雄の街並みなど、往時の台湾の日常風景を観察できるのも面白い。
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