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風櫃(フンクイ)の少年のTakaCineのレビュー・感想・評価

風櫃(フンクイ)の少年(1983年製作の映画)
4.4
【侯孝賢的青春群像】
少年4人のバカ踊り😁
何で踊ってるか意味が分かると、プッと笑ってしまいました。

好きだなあ、この映画♪
懐かしき青春😌(遠~い目w)
思春期のあの純情で、青くて、おバカで、ひたすら女の子のことや遊びのことで頭がいっぱいだった日々。

『パンツの穴』、『グローイング・アップ』、『ポーキーズ』に通じる、少年たちの青臭い青春映画の雰囲気が可笑しいやら照れ臭いやら(品はこちらが断然上です)😅

ビリヤードをしたり、喧嘩をしたり、イタズラをしたり…退屈なほど平凡な田舎の日々を抜け出して、向かった先は大都会「高雄(カオシュン)」。

高雄に出てきた田舎少年たちの戸惑いや不安、共同アパートに住む女性に抱く仄かな恋心、熱い友情とすれ違いや喧嘩、悲しい別れ…あの年齢が感じる喜怒哀楽を淡々と描いていって、じんわり心に沁み込んでいきます。

侯孝賢(ホウ・シャオシェン)監督が描く青春群像は、ノスタルジックでどことなく切ない😌確実に終わりを迎える少年期への感傷と、大人になることへの焦燥。

フェリーニの『青春群像』を思い出したのはもちろんですが、劇中で映画館上映していたヴィスコンティの『若者のすべて』(少年たちが「モノクロかよ」と悪態をついていた映画)が、物語の方向性を暗喩している気がして心配でした。

冒頭の"風櫃東站"と書かれたバス停の標識を映すシーン1つでも、侯孝賢映画らしくてニヤニヤ(独特の空気感)。

何でもない日常の風景なのに、ずっと観ていられるんです☺️♪

見たことある人だなあ~と思っていたら、若かりし頃の侯孝賢監督が出てましたね。阿榮の姉の彼氏役で出演していたのですが、ちょいワルな表情が板に付いていて、さすが元ワルガキの面影がありましたね(失礼😁)

髪をとかす女性の色気。
無防備な女性のワキ毛(外国映画では珍しくないですが)。
外で蝿が飛び交う中で、魚を捌くおばさん(不衛生すぎ😨)。

ちょっとした情景が忘れられない。

工場服姿の少年たちが、背中を合わせて飯を食べる場面が記憶に残る。あの皆でバカ踊りした日々も、一緒に飯を食った日々も…もう戻らない…

風櫃(フンクイ)の素朴で美しい風景、世間知らずでちょっと尖った少年たち、街中の喧騒、大量の自転車とバイクの通勤、箸での食事、父との野球などを見ているだけで、同じアジア人として理解や共感ができて、懐かしい気分さえ感じてしまうのは何故なんでしょう(原風景)?

ただ、クラシック曲が流れるのは詩的(知的?)すぎて…ちょっとあざといかな😅

最近は忙しすぎて、映画鑑賞もレビューもままならず😓余裕が出るまでは、しばらく緩~くフィルマを継続する形になりそうです😢

あと、猛暑なので水分補給と体調管理に気を付けて、映画鑑賞を楽しみましょうね😊🎵
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