すごく変な話で恐縮ですが、このドキュメントを見て思ったのは、キースはギターが上手い、でした。
7割くらいは現在(2010年代前半)の映像、3割くらいが過去の映像で構成されています(体感)
ソロ活動のパートナーとして、スティーブ・ジョーダンとトム・ウェイツが大きくフィーチャーされています。
キースには1980年代から彼のギターを管理するテック担当がいてインタビューにも答えています。
半世紀近くキース・リチャーズのギターを管理する人生ってなんだかすごい。
トム・ウェイツとの最初のセッションでは、トレーラーに載せてギターを300本も持っていったとか。
20世紀のポップスターってすごい。
キースのソロアルバムってミニマルでポップでわりと愛聴してた。レゲエ色が強いのも良くて、そして歌もいい。
キースのボーカルはみんな好きだと思うけど、それでも時々ミックの映像が出てきてハッとさせられる。
キースもミックのことを言ってたけどフロントマンってすごいんだ。変えが効かないというか。
(過去のレコーディングの映像でミックはなんというかレモンイエローみたいな色のパンツを履いていてフロントマンだなーと妙に感心した)
キースとトム・ウェイツが並んで歌っているレコーディング映像があって、二人がシワがれ声で厳かに歌っているのがなんとも可愛らしい。
トム・ウェイツって人も改めてすごいな。過日観た出演作「バスターのバラード」でも思った。
マディ・ウォーターズ、ハウリン・ウルフ、チャック・ベリーなど、錚々たるレジェンドも出てくる。
キースのブルース愛、ブラックミュージックへの愛が一貫していて、生き方もまた愛に溢れていると感じた。
インタビューでキースが突如ジム・ホール風にギターを弾き出しておお、となった。
元々高い演奏力があって、そこからストーンズでの独特のギタープレイが生み出されたことを知って尊敬の念が芽生えた。
とりとめない感想になっちゃったけど、ダラダラついでにちょっと脱線します。
ここに書くことじゃないんだけど、先日観たばかりの「天使のくれた時間」の劇中、
ヒロイン(平凡な主婦の設定)がお風呂でシャワーを浴びながら一人で熱唱してるシーンがあって、その曲がビーストオブバーデンでした。
嬉しくて膝を打ちました。アメリカでは有名な曲なんですね。
私は特に熱心なストーンズリスナーではないのですが、彼らのたくさんある名曲の中でもビーストオブバーデンが最も好きです。
ベッド・ミドラーのカバーバージョンを先に聴いていて、せつなさと高揚感があって良い曲だと思っていたのですが、後に本家を聴いて、さらに本質に触れたというか、渋い!となりました。
キース・リチャーズにしか書けない曲という気がします。
わ、思いの外、長くなりました、、
インタビューで「世間の人は俺のイメージを誤解している」と言ってますが、確かにこのドキュメントで初めて知った、素晴らしい人物であり傑出したミュージシャンのキース・リチャーズがいました。