おばけシューター

メッセージのおばけシューターのレビュー・感想・評価

メッセージ(2016年製作の映画)
4.1
でっけ〜〜ばかうけが北海道に刺さった話!
本編と無関係な話が長いです。ごめんな。

宇宙人との邂逅を描いた作品は数あれど、実際ぶち当たるであろう言語学の壁という観点からアプローチしたのが新鮮でワクワクする設定。いくつもの国にやってくる事で発生する他国との折衝も含めるところにリアリティとテーマ性を感じる。

言語の違いにより考え方も変わるという話(サピアウォーフ仮説)が興味深かった。例えば結論が先に来る英語と、理由が先に来る日本語では使用者の思考が異なってくることになる、と。説得力ありますねェ。

そういえば、言語機能を獲得せず複雑なことを考えるのは可能だろうかと考えた事があった。
人間の祖先であるアウストラロピテクスが生き残り、ネアンデルタール人が滅んだのは、言語能力の有無が決めてと言われています。脳みそは後者の方が大きかったが、言語視野が未発達で喉の構造上複雑な声を出せなかった。コミュニケーション上の不利は明らかですが、言語が生まれなかったせいで複雑な考えも出来なかったのではないでしょうか。


ところで、突然やってきた彼らだが、(緊急性があったとしても)やはりそこに違和感がある。


何故なら、もし宇宙人がある日突然地球にやって来たとしたら、一方的に滅ぼされる展開になると予測せざるを得ないから。本編で彼らと戦う決断をした人たちは無謀には違いないが、間違った判断とは言えないと思う。

彼らが文明のある惑星(地球)を一方的に見つけたとき、どのようにアプローチするか。いきなり宇宙船を向かわせる訳ではなく、電波に信号を乗せるなどして通信を試みるところからスタートするはず(技術的にも)。
にも関わらず敢えて直接やって来たのならば、初めから友好的なコミュニケーションなどする気はないという事です。
地球まで来れる技術があるのなら、直前にメッセージを送るなど容易いことですから。

例えば、人類が文明のある星を見つけ、コンタクトを試みようと観察したところ、戦争ばかりしている事がわかったとします。資源も豊富で寿命も長く、非常に好戦的で残酷、斃した敵の皮を剥ぎ壁紙にするのが大好きで、ついでにキツいタヌキの臭いがするウーキー星人たち。
そこで、コミュニケーションは保留し未来技術でシミュレーションしてみたところ、ウーキーたちは今でこそポケベル使ってますが、近い将来人類の技術に追いつき地球に戦争を仕掛けてくる事がわかってしまいました。一度戦ったら最後、ウーキーどもはあっという間に万里の長城を皮張りにするでしょう。

どうしましょう。
事前に交信なんてしたら相手が危機感を持ち、危険度が増してしまうかもしれません。
いきなり押しかけて、勝てるうちにウーキーたちを殺殺(コロコロ)するか、人格を改造するか、ウーキー星の資源を根こそぎ奪ってしまうか。せざるを得ないでしょう。
可哀想なウーキー。しかしこれも人類のため。漏れなく毛皮のコートになってもらいましょう。臭いから誰も着ませんが。
  
かなり飛躍した理論なのは自覚してますが、宇宙人が突然来訪してくるということはそういうことなのでは?

例外があるとすれば、技術が突然進んだ場合でしょうか。急にワープできるような技術を獲得したとか。
そういえば彼らの描く文字はかなり複雑で、鉛筆で描けるような物ではなかった…。

ここまで読んでくれて、ありがとうございます。
またよろしくです。