なーこ

メッセージのなーこのレビュー・感想・評価

メッセージ(2016年製作の映画)
3.8
言語好きにはたまらなく、またNYの『ゴースト』やケイシーアフレックの『ア ゴースト ストーリーズ』を思い起こさせるような温かさ。

私は人生の謎を宇宙に全投げしてる映画が好きなのかもしれない….。

海外旅行に行くとき、いつもするのはその国の言語と歴史を調べること。
個人的に言語はその国に入る際の敬意であり、言語は歴史と密接に関係していると思ってる。

礼儀なんてのは個々人だけど、私としてはその国の言葉を学んでおくと安心する。特に注文の時に。っていう程度なんだけど、その国を観光している時にさらに彩り豊かに見えるのは気のせいじゃない。

単語から探っていく場面で、その言葉の定義が一致しているかどうかから謎なのが言語好きな私には本当に面白くて。
言葉の定義から一致してないと人とのコミュニケーションもかなり難しいので、そこが描かれてるのがわくわくした。

例えば本読んでるときも、この作者が言ってる単語と私の思う定義は違うんじゃないかって疑問に思うときがある。そういうときに、作者の生い立ちとか歴史から調べていくと、あーこの人はこういう意味を含んで言葉を選んでいるのかもしれない。そう理解すると私自身の幅も広がる気がする。

「言葉の定義」で思い出したんだけど、ドラン監督のM&Mでも似たようなシーンあったな….。このシーンで私は言葉の定義を一致させたがるマティアスに共感したんだけど、一般人受けは確かに悪い…..。

エイミーアダムス、いつも作品選び良いなと思ってたのでますます好きになりました。

原題arrivalを自分なりに訳すとさらにしっとりした作品になる。


以下ネタバレ⚠️⚠️⚠️







今回の作品は、未来が断片的に見えるってとこほがポイントだったと思う。
例えばよくあるSFだとほぼ全部わかってて、その上で未来を変えようみたいなのが多い。

主人公が見た未来が断片的で、温かく(しかも相手がジェレミ)優しいものだったから受け入れられたんじゃないかなと。

子供をそれでも産むか?については完全に自分の幸せを優先しているようでちょっと引いてしまった。いや自分の人生だからいいんだけど、死ぬのは子供じゃんって思うとやるせない。

わかってても産んで愛情を注ぐ、これを温かさとは考えられなかった。

私の感じた温かさは単に「平和的な対話」と「与える愛」だけだったので、それを含めたこのスコア。
なーこ

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