映画を見る→原作を読む→もう1回原作を読む→映画2回目の順で久々に鑑賞。
1回目も涙が出るほど感動したんだけど、今回は嗚咽レベルの号泣で、一緒に見ていた家族がドン引きしていた。この映画、2度目の方がいいし原作を読んでからの方がいい。原作ありの映画は、映画の完成度が高くても原作の方がいいことが多いと思うんだけど、この作品は珍しくどちらも良いと言えると思う。ほぼ原作通りの話と展開で、学術的な部分を減算し、オリジナル要素を追加してビジュアルで見せる映画になっていて、文字だけの原作にある絶対的な魅力とはまた違う魅力を生んでいる。それが凄いなと改めて感心した。
後半に驚きがある話なので最初の衝撃は原作か映画かどちらで出会うかで変わるかもしれない。ただこの作品は、それを知った上で見ても引けを取らないくらい楽しめる映画になってる。細かいところまで演出が丁寧に行き届いていて、知らずに見るミステリアスな雰囲気と、知った上で心打たれる感動が同居していて凄い。
エイミー・アダムスの一挙手一投足が素晴らしく、完全に彼女の演技、存在が映画ならではの魅力になっている。他の出演者がモブキャラに見える。むしろ敢えてそう映しているように感じる。
それだけでも十分映画化の意義はありそうなところにそれを差し置いてもある、この映画最大の魅力はSF映画であるというところ。原作は学術的かつ哲学的で、めちゃくちゃ刺激的な魅力がふんだんなんだが、そこをビジュアルである必要性、映画ならではの魅力を最大限に押し広げて作っているというのが素晴らしい。
圧倒的な畏怖、未知の恐怖、神秘的な異星のモノをパッと見て瞬時に感じ取れる説得力をビジュアルと音、演出で表現していてたまらない。
異星のモノが現れた目的が達成される段階の演出も極上。ここも原作とはまた違った、映画ならではの巧みな演出だと思う。
現時点のヴィルヌーヴ最高傑作じゃないでしょうか。ヴィルヌーヴの個性がここまで出ていて且つテンポも早く見やすい、わかりやすい、雰囲気満点。個人的な不満点はゼロ。大満足の傑作だと思う。
他のヴィルヌーヴは録画したBlu-rayがあるのに、唯一2度目を見返したこれだけないから毎度レンタルなんだけど、もう買っちゃおうかな。また見ることでしょう。
【1回目】2017/10/18 DVD
