アキラナウェイ

リメンバー・ミーのアキラナウェイのレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
3.9
僕の大好きなコンテンツを全て買収していったディズニー大帝国。カネにモノを言わせて、市場を独占。Disney+も、何か屈服させられた気分で、それでもMCUのドラマ観たさに契約。

この度のコンテンツ拡張と共に決まった値上がりで、何となく元を取らなきゃという焦燥感からこちらを鑑賞。

公開時は、絶賛天の邪鬼発動中で見向きもしなかった作品。

泣いたわ。
ゲロ泣きしたわ。

舞台はメキシコのサンタ・セシリア。その昔、音楽家を目指し家族を捨てた夫を恨み、その妻ママ・イメルダは一族に音楽禁止の掟を強いる様に。しかしママ・イメルダの娘ココの更にひ孫のミゲルは、音楽家になりたいという夢を密かに育んでいた—— 。

子供達のやりたい事を否定する家族って、僕には本当に理解不能で、ましてや音楽を禁止するなんて「呼吸するな」っていうのと同じぐらい無理な話でしょ。

序盤でミゲルの大切にしているギターが壊されたりするのとか、イラッとする。ドラマを盛り立てる為に必要な描写なんだろうけど、時々やり過ぎている気がする。

「シュガー・ラッシュ」でも似た様なくだりがあって、そういうシーンだけは本当に虫唾が走る程嫌い。

しかし、だ。

あまりの映像の美しさには息を呑んだ。

今地球上に存在している誰も訪れた事がない、"死者の世界"をあんなにもカラフルに、悲しみとは無縁のテーマパーク然と描いた事には驚いた。

橋に敷き詰められたマリーゴールドのオレンジ。ネオンの様な街の煌めき。そして、動物の姿をした"魂の使者"の発色の良さ。画面の端まで美しく、目を奪われる。

あまり目にする事がないメキシコ文化、死者の日の伝統を知るにも良い。

生きている家族から忘れ去られた時、死者に訪れる二度目の死(最後の死)。この設定も上手い。

時を超えて、家族を繋ぐ。

あー、めちゃんこ泣いた。

あ、でももう1個言いたい事が。

劇中に出てくる犬が頭悪そうで、「モアナと伝説の海」でも同じ様な鳥のキャラクターが出てくるが、こういうジャー・ジャー・ビンクス的な、敢えて頭悪そうなキャラを出すのって、映画界の悪習だと思う。

物語のテンポを悪くさせ、観客をイラつかせるだけなのでやめた方がいいと思う。