このレビューはネタバレを含みます
アメリカらしい「家族」を前面に出した作品。ただし設定は皆メキシコ人。
流れを観ていると最初の段階で「ははあ、ミゲルの曾祖父さんはエルネスト・デラクルスなのだな」と思ってしまうのだが、それはミスリードさせる仕掛けだとあとで気づきます。
音楽が随所にあり「ミュージカル」といえば言える。
とにかく「死者の国」がきらびやかで美しい。死人が地上に出てこれたり、ミゲルも死者の国に行けたりすると「なんでもあり」になってしまって緊張がなくなり面白くなくなる危険性があるのだが、そこは色々ルールがありうまく話を進めてくれる。
特に「死者の国」にいる者も人間の世界で忘れ去られると消えてしまう決まりはうまく出来ている。
全体的にむせ返るほどの「家族愛」に包まれている。子を愛するが故に強い忠告もダメ出しもするが、それでは子供は納得できない。どの家庭にでもある光景で子どもたちは大いなる共感を得るだろう。
子供向けのハズなのに売れるために友人を毒殺してしまうなど「この辺子供はわかるのかな?」とも気になったが、最後は見事なハッピーエンドでホッとした。少し泣ける作品でもある。