ゆずっきーに

リメンバー・ミーのゆずっきーにのネタバレレビュー・内容・結末

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

はいはい。涙腺崩壊。泣き顔を人に見られるのが心底嫌過ぎて泣きそうな映画は必ず部屋で一人で観ると決めているのだが、正解だった。めっちゃあからさまに感動させにきてるのに。まあでも良いものは良いんだから仕方がない。

そう、ピクサーとディズニーが強すぎる。
何だろう、ジブリが傑出した才能群によって最強の戦闘機を一息で作り上げるとすれば、ピクサーはいくつも作った戦闘機同士を戦わせて生き残った最後の一機を更に過去作品と戦わせてそれに耐えた最強戦闘機を映画としてお披露目してるよねっていうか。蓄積・学習・陶冶の量、桁が違う。リメンバーミーはその方式でピクサー最強を叩き出したと言っても過言ではない。

ストーリーに感動したとか絆が云々とかは既に多くの人が言っていることと同じものを感じたまでなのであまり言及しない。映像美も観れば分かるだろうし。隙がなさすぎる。根本的にアニメーションには没入できないんです、という人でなければまず観て損はないだろう。おすすめ。
そもそもディズニーのアニメ映画は一貫して小さな子供たちが見て楽しめるものを、という出発点から作られていて、にも関わらずこんなクソ頭でっかちのアラサーが見るに耐えるというのも意味がわからない。ジブリは子供向けでは最早ないから納得もするんだが…
だからレビューでも書くことがあまりないんだよな。いたってシンプルでいて洗練されたストーリーに、美しく派手な絵と良い音楽。それだけ。でもめっちゃ良い。

今ちょうど日本映画の海外展開についての書籍を読んでいて、やはり21世紀以降ハリウッド映画が芸術性と引き換えに普遍性を手にして世界市場を征服したという記述はピクサーにも当てはまるように思う。ただ、普遍的な作品であっても物語の深みや芸術的価値が削り取られたわけではなく、広く人の心に訴えかけるものとして成立し続けている点が驚異的。
誰が観ても楽しめる映画を作ることに関してディズニーの右に出る者はいない。と思う。FOXグループの買収やスターウォーズの版権など、普遍的価値の追求が他の価値を損なってしまうという意味において昨今その先行きが危ぶまれてもいるディズニー映画だが、ディズニー本来の作品作りが傑出して素晴らしいものであることは間違いないわけで、きっとこれから先も彼らの覇権は続いてくれるのだろうと再確認させてくれた。天晴れ。
ゆずっきーに

ゆずっきーに