■念仏を歌う
私は昔から意味のわからないことをやらされるのが嫌な子供だった。
特にお盆の時期に親族と仏壇に念仏を唱えるイベントが苦手だった。
大人になり、大好きだった祖父が亡くなった。一緒の家で暮らしていた近い親族が亡くなったのは初めてだった。
お坊さんに、なんとなくではなくちゃんと祖父を偲びたいから、お経の意味を知りたいとを伝えると、意味を教えてくれた。
簡単にいうと、幸せに生きるために大切なことがたくさん書かれていた。
「周りの人を大切にしなさい」
ありきたりだが、お経にあったそのメッセージは祖父が大切にしていた信条だった。
「声を合わせ、僕ら家族。唄いながら伝えよう。みんなの思い出と共に生き続けるいつまでも」
この一節で終わるこの作品が、とてもぐっときて、大好きになったのです。