親が、子供に教えなければいけないけど逡巡することのひとつに【死】という概念があると思う。
生きとし生けるもの全てに命があることを、死んだらどうなるかということを、生き物を殺してはいけないということを…どう親として教えるか、納得させるか。ふわっと伝えて「これで分かったはず」という気になることは簡単だ。
という点で、ディズニー×ピクサーさんがすばらしい仕事をなさっているというわけです！
ラストのくだりが予想通り過ぎたことだけを抜かせば…死後の世界を物語とビジュアル、そして音楽で時に豪快に直感的に訴えかける安定のクオリティが見事としか言いようがなかった。命が繋がっていくことの末端には、先祖や家族のありがたみがあり、本当の死とは…という着地点に向けてミステリー仕立てのストーリーも回収まできっちり。
特筆すべきは、主人公のミゲルが愛する家族に音楽を取り上げられ苦しめられるという典型的なモラハラを容赦なく描いているところ。「あなたのために」と自分の価値観で子供を縛る毒親は本当に多い。この辺りの問題提起を躊躇せずにするところもピクサーさんはさすがである。
アニメーションであることを最大限に活かした映像美は、言わずもがなですが映画館で堪能した方が良いかと思われますよ～
