よーだ育休中

リメンバー・ミーのよーだ育休中のレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
5.0
メキシコ一の祭典《Dia de Muertos》の一晩を描いた作品。「こちら」も「あちら」も賑やかで楽しげで、「死」という重いテーマをここまで明るく描けるのか!
一面のマリーゴールド、打ちあがる花火、何より死者の国の壮麗さ。さすがディズニー映像が美しい。
ポップなデザインのガイコツ達。白っぽい画面に色彩を与える鮮やかなアレブリヘ達。色彩感覚がやっぱりすごい。

主人公のミゲルが死者の国で活躍し、リベラ家の抱える問題《音楽NG=ヘクターの誤解》を解決する。
ミゲルは音楽嫌いの家族で自分だけ音楽に惹かれる理由がわからずにいたが、ヘクター(音楽家)が家族にいたからだと知る。ヘクターとミゲルが「I proud to be his family!」と叫び合うシーンは鳥肌。
家族に誇りを持てたミゲルは音楽より家族が大事だと考えるように。ママ・イメルダの許しを得る際、音楽禁止を受け入れる心まで見せた。

吹替えの石橋陽彩くんの歌声もとても良かったけど、やっぱり映画は字幕が好き。登場人物の発音がスペイン鈍りだったり、所々スペイン語を話させたり。原作の拘りを感じる事ができる。

Remember Meもすごくいい曲だけど、最後に流れたProud Corazon(音楽はいつまでも)も名曲。

今作のヴィラン、デラクルスはエゴでヘクターを貶め、ミゲルの事も殺そうとしたとんでもないやつだけど、どこか憎めなかった。トマトぶつけられてシュンとした表情は可愛らしく感じてしまった。

ラストシーン、ミゲルの歌声でママ・ココの認知症様の症状が劇的に改善するシーンは涙なしには見られない。直前までヘクターが消えてしまうかもしれない+ミゲルは朝日が昇るまでに帰らないと行けない切迫した状況だったが、一変。暖かい朝日に包まれた部屋で記憶だけでなく言葉・表情を取り戻したママ・ココ。ディズニーの魔法を感じた瞬間だった。