凸

リメンバー・ミーの凸のレビュー・感想・評価

リメンバー・ミー(2017年製作の映画)
4.7
最高の映画。映像の鮮明さやキャラクター達、今回は特に骨ならではのカクカクの動きやギターの運指まで音と合うように作られていて流石ピクサーだなという感じ。

そしてなにより音楽。楽曲自体の素晴らしさも勿論だが、この作品は、劇中で歌うタイミングがオンステージであるということが他のミュージカル映画との大きな違いであると思う。やはりミュージカル映画が苦手な人は、「いやなんでここで急に歌うの?」という引っ掛かりがあるのだろうと思うが、この作品では、ステージの上であったり、私だって音楽が好きなんだという意思表示の為に歌ったり、歌うべくして歌うシーンばかりなのだ。

ウンポコロコ内での掛け合い「死んでる割に上手いね」「生きてる割にお前もやるな」は毎回グッとくるが、やはり名シーンはママイメルダが間違ってデラクルスのステージに上がってしまう所である。本来オフレコで行われるべき行動たちが、昔からヘクターと演奏していた歌とオーケストレーションによって、ショーとして成り立ってしまう、というあの構図は今まで見たことがなく、一人で観ていても毎回思わず拍手をしてしまうくらい。

死後の世界であったり、認知症のひいおばあちゃんが出てきたりする映画はやはり涙腺をやられてしまうなという感じ。エンディング曲の「音楽はいつまでも」内で、「魂が奏でる素敵なメロディ、骨も揺さぶるよ軽快なリズム」「みんなの思い出と共に生き続けるいつまでも」と言っている。音楽と死者、そして、覚えて貰っている限り魂は死なない。これがこの作品の全てを表していると思う。
凸