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Cowspiracy: サステイナビリティ(持続可能性)の秘密のshunのレビュー・感想・評価

3.6
 課題で「グローバルイシューに関するドキュメンタリーを観て感想を書け」との課題が出たので以前から気になっていたこちらを観賞。

2014年に制作されたアメリカのドキュメンタリー映画「Cowspiracy:
The Sustainability Secrets」は地球温暖化の主要因が家畜であることを示した作品である。監督のキップが環境問題について調べていくうちに疑問を持ちその実態に切り込んでいく構成をとっている。

 国連が提唱するSDGsの目標13は「気候変動に具体的な対策を」であり、地球温暖化はグローバルイシューの中でも代表的なものであり、世界的に取り組むべき課題となっている。

 映画の冒頭でキップは地球温暖化に対し一般的に提示される節電や節水、ゴミの分別などの対応策がいかに不十分であるかを説明する。
 ワールドウォッチ研究所の統計から、温室効果ガスは運輸関係で排出されるものが13%なのに対し畜産から排出されるものは全体の51%を占める。
 畜産業は地球温暖化の主要因でありながらも環境団体への取材でもその話題に触れたがらない者が多い。環境団体は支援者からの資金で成り立つビジネスであり、「肉食」という習慣に反する主張は資金集めに影響が出るからである。
 実際にこの映画内でもキップがプロデューサーから電話で作品への資金援助を止める、と告げられるシーンが存在する。最終的にこの映画は世界的に有名な俳優であるレオナルド・ディカプリオが製作に携わり、動画配信サービスのネットフリックスによって公開された。

 この問題に対し最終的にキップは肉食をやめて植物から得られる栄養だけで健康に生活するというヴィーガニズムを全世界の人々が実施しないと地球は救えないという結論に辿り着く。これに関しては自分は賛同できなかった。このドキュメンタリーを通じて環境問題の新しい見方を学んだが、決めつけるような最後の結論はあまりにも強引で納得できない部分がある。
 世界中の人々がヴィーガンになることなど不可能であるし、そもそも植物だけでも健康に過ごせるからと言って肉食を幸せと捉える人にそれを禁止することもできない。

 ただレオナルド・ディカプリオが製作に携わっていることもあり、この映画を通じてそれまであまり環境問題に興味を持っていなかった人々の食生活を見直そうというきっかけには十分なり得る作品だと感じた。
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