鍋山和弥

ぼくのエリ 200歳の少女の鍋山和弥のネタバレレビュー・内容・結末

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

いじめられっ子『オスカー』と、ヴァンパイアの少女『エリ』の、歪んだ純愛物語。この2人の、狂気的純愛は、なぜ成り立ったのか?それは、どちらも、人間社会から、阻害される存在だったから。どちらも、互いが、無事であれば、誰が死んでも、構わないという、価値観だったから。普通の人間の価値観なら、『エリ』が、ヴァンパイアと知っただけで、逃げてしまう。でも、『オスカー』の場合、毎日のように、いじめられたせいで、自分を、いじめてきた、周りより、自分に、優しくしてくれる、『エリ』に、心を許してしまう。例え、『エリ』が、ヴァンパイアだったとしても、・・・・。この2人は、いつまでも、一緒だと思う。例え、世界中を、敵に回したとしても、・・・・。『オスカー』の、トラウマと、『エリ』の、ヴァンパイアとしての、存在が、うまいことマッチし、強い共依存となっている。2人は、きっと、互いのことしか、信じられないと、思いながら、生きていくだろう。この狂気的純愛が、芸術性を、生んでいる。とにかく、他人を、殺すことに、罪悪感が、無いのだ。
鍋山和弥

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