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ぼくのエリ 200歳の少女のえのネタバレレビュー・内容・結末

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

鑑賞してから時間が経てば経つほど評価が上がる作品。見終わった直後は星3つくらいの体感だった。小説が原作なだけあり、ヴァンパイアの細かい設定や描写が緻密でミクロで見るととても素晴らしいのに、マクロで見るとなんとなく物足りなさを感じていた。しかし見終わってから思い返すと、節々に強烈なメリーバッドエンド要素があり、鑑賞後時間が経てば経つほど評価が上がった。
一見、オスカーとエリ、少年少女のピュアな純愛を描いているように見えるが、実際はどこまでも歪んだ共依存を描くホラー映画だと思う。2人で電車に乗って逃げるエリとオスカーのラストシーン、一見ハッピーエンドを彷彿とさせるが、恐らくその先にあるのはオスカーだけが歳をとり、エリのために殺人を重ねる未来。では、作中でエリの父親として登場した男性はかつてエリとどんな関係だったのか?それを考えると、「今夜はあの少年と会わないでくれ」という序盤のエリの父親のセリフも見え方が変わってくる。オスカーがエリにプレゼントしたルービックキューブ、エリの部屋に置かれた沢山の骨董品とその中にあるインペリアルイースターエッグのパズル。また日本では規制が掛かっているが、エリの股間には男性器を去勢した跡がある。12歳の女の子として200年近く、何人もの12歳の男の子と逃げながら生き続けるエリの人生が見えた時、この映画の見方も変わる。
ただ一つ気になった点として、雪の上を歩く音やルービックキューブを回す音を始めとする効果音が作られた音という感じが強く若干の違和感を感じた。
え