「相手を殺してでも生き残りたい。それが生きるってことよ」
いつだかに聞いた「性別で人を好きになるのではなく、好きになった人がたまたま異性または同性だった」という考えが私は好きで、この映画はめちゃくちゃ刺さる。
歳をとらない者と歳をとる者
人間じゃないものと人間
捕食者と被捕食者
男と女
いろんな対比が、2人の未来はうまくいかないことを暗示している。
でも2人にとってはお互い居てくれないと生きていけない存在というもどかしさがたまらない。
あーもーこーゆーのめっちゃ好き。
モザイクかかっちゃって分からないけど、エリの股間には去勢の跡があるらしい。
エリが生きていくためには、肉体的な力持ちで、経済力がある「男」の存在が必要だったから、女として生きるしかなかったのかな?
なんて邪推できるのもめっちゃ含みがあって好き。
中盤まで出てきたエリのパッパもだけど、エリは生きるためにそうやって男を騙す必要があって、寂しい男はエリみたいな不思議な少女に騙されちゃうんだろうなあ。
序盤のオスカーの部屋とエリの部屋の窓を映したカットだとか、
エリパッパが殺人しようとしてるのに邪魔が入って隣の部屋に追いやられてるカットが美しすぎる。
こんな絵画のように美しい状況説明のカット、アメリカ映画じゃ見れないセンスだよね。