ドルジ

ぼくのエリ 200歳の少女のドルジのレビュー・感想・評価

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
3.9
78点(100点満点中)
〈脚本〉34/45点
 単なる少年少女の初恋物語だけでなく、吸血鬼要素が加わることで映画としての面白さが跳ね上がっていたと思う。オスカーとエリのぎこちなく初々しいやりとりは見ていてニヤけてしまう。エリが吸血鬼であることでそれを活かしたギャグシーンがあり、また“血”の調達をめぐるサスペンス的要素もあって観ていて飽きなかった
 オスカーが家庭にも学校にも居場所の無い少年であり、ラストはそこから抜け出してエリと駆け落ちするというのはハッピーエンドに思えるが、今後はオスカーが血の調達係になるのではとも思てしまう
 全体としては、サスペンス要素のある恋愛映画として楽しめたが、説明不足に感じる部分(エリの部屋にあった謎のオブジェクト等)もあった。調べると小説版には細かい設定や要素があり、映画化として小説の良さを掬いきれていないと感じた
〈演出・撮影〉21/25点
観ていて「上手いな」と感じる撮り方・カットが多かった。オスカーがいじめっ子に反撃すると同時に遺体が発見されたシーンは、オスカーとエリ2人の運命が動き出したことを示していると感じた。壁越しにモールス信号で会話していた2人が、ラストあの形でまたモールス信号を使うのは綺麗な伏線回収だった
〈音楽〉8/10 点
雪景色と静かなBGMがよく合っていた
〈演技・キャスティング〉8/10 点
オスカーとエリのキャスティングが素晴らしい。演技は上手いのか下手なのかよくわからないけど、それがかえって初々しさの演出になっていた
〈印象〉7/10
演出や音楽含め十分楽しめたが、ストーリーはやや雑なまとめ方に感じた。あと20分くらい伸ばしていいから、丁寧に物語を畳んで欲しかった
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