円柱野郎

ぼくのエリ 200歳の少女の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

ぼくのエリ 200歳の少女(2008年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

エリはヴァンパイアなのであるが、それ以上にそもそも少女でない。
彼女と書いたけども、去勢された少年である。
(日本版では根幹にかかわるシーンでボカシが入ってしまっているが…)

そう思って観ると、オスカーがエリに恋心を抱き、エリもオスカーに好意を寄せるにしても、人間と非人間である以前に最初から生産性のある関係ではなかったことになる。
主人公の父親があえてゲイとして描かれるのもその暗示だろうし、冒頭で初老の男性と共にエリが引っ越してくること自体が意味深(オスカーの未来?)なものに思えるし、いろいろと深い。
単純なヴァンパイアホラーという以上に人間という生き物について考えさせられる部分があった。
そこがこの作品の魅力なのは間違いない。

ただ、個人的には手作り感のある演出にもう一つ入り込めなかったところはある。
全体的に画が明るいというのがそう思わせているのかなあ?
ヴァンパイア的な場面では、あえて見せないという演出をうまく使ってはいたと思うけどね。
円柱野郎

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