めーぷる

溺れるナイフのめーぷるのレビュー・感想・評価

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
5.0
2024年 1作目

tiktokでたまたま聞いた劇中曲「コウを追いかけて」がとても素敵で、調べてたら辿り着いた作品。
配信されてるのを見つけて鑑賞。

ただの少女漫画原作青春映画ではない、青春・恋愛がメインな中でも強く生きる女性を描いている作品だと思えた。

ストーリーは、中学生の無敵できらきらとしていた2人が事件をきっかけに傷を抱えて変わってしまった高校時代を描いてる。
事件や環境による登場人物の移り変わりがリアルで苦しくて、けど対照的に映像はとても綺麗で切なくて芸術的。
特に小松菜奈と椿のシーンがすごく印象に残ってる。夏芽の脆い美しさが表現されていた。

メインキャスト全員すごくいい演技をしているが印象に残ったのは重岡くんと萌音ちゃん。
周りが変わっていくなかで唯一変わらない重岡くんは見ていて救い。
萌音ちゃんの役は素朴な中に明確な夏芽への妬み嫉みが見えて、終盤「災いのもと」と夏芽に対する村の総意を表現していたのが普通の恋敵役とは違っていい。
最近は純粋なヒロイン役が多いからそのギャップもよかった。
また、男性陣は金髪⇔黒髪・女性陣は都会的で洗練された服装⇔高校生にしては幼い服装と、主演2人とは真反対なスタイリングしているのも少女漫画の王道的なキャラクター設定を感じた。

ガラスのような脆く儚く美しい恋愛を表現できるのは、後にも先にもこの時期の菅田将暉と小松菜奈しかいないだろうなと思えた。
ラストシーンは今でも夏芽の心の中には航ちゃんがいるってことかな〜。
「初恋は叶わない」という言葉を体現しており、何度も見たくなる作品。
一度は見てほしい、おすすめです。
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