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溺れるナイフのyanekoのレビュー・感想・評価

溺れるナイフ(2016年製作の映画)
3.5
小松菜奈と菅田将暉が ただただ尊いだけの映画

原作を読んでいなければ、理解に少し苦しむ恐れあり。

夏芽の、「彼女になった」という事実を得て、少なからずの優越感を露わにしながら、途端にめんどくさい女と化す 不器用さがなんとも少女らしかった。
どんどん沼にハマり堕ち、自分の力では もうどうにもできなくなってしまったことに気づき、普段は平静を装って強がっているけれど、 後悔や焦り、不安、複雑な感情とともにコウが夏芽に 静かに涙を流しながら 本音をもらすシーンが印象的だった。私も泣いた。

若さ故の感情の爆発。すれ違い。
思春期って難しい。けれど、美しい。

菅田将暉、小松菜奈の、自分の感情が一定のボーダーを超えてしまった時の演技がなんとも情熱的でスバラシイな…ずどーんとくる。重岡くんのかませ犬感も 最初から最後まで愛おしかった。椿もいい感じに似合ってなかった。褒めてます。

ストーカーはもうちょっとねっとりじっとりと「やばいやつ」オーラがあっても良かったかもしれない。夏芽の人生、今後のコウとの関係を揺さぶる大きな出来事なのに、その事実の重さと ストーカー役の妙な軽さ(否めない雑魚キャラ感)が 不釣り合いだったのが少し気になった。2回目もニュッて出過ぎでしょ。わぁまた来た〜wwみたいなノリ。笑っちゃう。

挿入曲も メロディーの綺麗さに重きが置かれてるのは分かるんやけど なんか軽いなぁって言う印象。音楽のちからを借りずに勝負しているっていう捉え方もできんことはないけれど!

小松菜奈と菅田将暉の尊さを じっくり2時間 堪能するためにあるような映画だった。大事なことだからもう一回言っちゃったよ

最後の2人の「おもいで」「まばたき」と言うやりとりはジーンと来た。そんなキレイでロマンチックな台詞ある??泣いた

私も若いうちにこんな燃えるような恋愛がしたいと思った。恋に没頭し 他の何もかもが見えないようになってしまいたい。

漫画の原作を映画化し成功したものに出会ったことがなかったのだけれど、これは成功では!
多分また観る。中毒性はそれなりにある。
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