メル

フランス組曲のメルのレビュー・感想・評価

フランス組曲(2015年製作の映画)
3.8
原作はアウシュヴィッツで39歳で亡くなった作家の未完の作品だとエンドロールで知った。

ドイツ占領下、フランスの田舎町にやって来たドイツ軍と村人たちとの出来事。

"戦争は人間の本性を暴き出す"と言うけれど貧富の差に関係なく下衆な奴は下衆。
そして、敵国同士でも心が触れ合えば惹かれあうこともある。

ナチスの虐殺の犠牲になった原作者はどんな想いでこの物語を紡いだのだろう。
国同士の戦争は止められなくても、人間同士はお互いを助け合い、愛し合える愛しい生き物だと伝えたかったのだろうか。

作者の死から60年を経て発見された原作は全体の一部と創作ノートで、未完部分は映画製作陣が補完とある。

戦争映画は気力が必要で、今作も何度もリタイアして漸く完走。
鑑賞後はどうしてもウクライナの惨状が頭を過る。

トム・シリングが憎らしくて印象的。
アレクサンドラ・マリア・ララを見つけて喜んでいたら彼女はサム・ライリーの奥様だそうで、ご夫婦で出演してました。
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