camuson

チリ33人 希望の軌跡のcamusonのレビュー・感想・評価

チリ33人 希望の軌跡(2015年製作の映画)
3.5
2012年にチリで起きた鉱山落盤事件で閉じ込められた33人の奮闘と救出劇。

キャストにアントニオ・バンデラスの名前を見つけて、オッと思いました。

そのまま見続けるも、彼が出てきていないことに気付きました。
そもそも、ギターケースを持った男の出る幕はないよなと思い始めたところで、
冒頭に出てきた、坊主頭で髭が濃くて、女のケツを触ってたオッサンこそが、
彼であることに気付きました。
20年以上前の「デスペラード」の印象で止まってましたね(笑)

で早速、坑道が崩落して、鉱夫達は命からがら地下700mの避難所に逃げ込みます。
食料備蓄は3日分。絶望的な状況の閉鎖空間における人間ドラマ。

一方、地上では、鉱山に残された鉱夫達の親族が押し寄せてくるので、
鉱山会社側は、ウザイからと銃で蹴散らすような感じです。

鉱山会社はまったくあてにならないので、チリ政府が動き出すことになります。
鉱山大臣のイケメンと、ボーリング技術者の渋いオッサンが救出作戦に奮闘します。

続きは作品をご覧ください。

かなり演出しているものの、実際に起こった事故に基づいているので、
現代の技術レベルによる現実的な作戦が立案実施され、
普通に失敗するというリアリティがあります。
いわゆるご都合主義がないところは良いところだと思います。
救出に成功した場面では、実話だけに感動もひとしおです。

ただ、まだ記憶に新しい事件だけに、
閉鎖空間内部での諍いなどを、あまり生々しく再現したり、
または捏造したりできないというのは制約になったのじゃないかと思いました。

興業上の理由なのか何なのか、英語劇になっています。
英語だろうとスペイン語だろうと聞き取れないのに違いはないのですが、
チリの鉱夫達が英語をしゃべっていることに、少なからず違和感がありました。
チリ人や事故当事者達はどう感じたかが気になります。

最初アントニオ・バンデラスである必要があるのかなと思いましたが、
暗い洞窟の中での泥まみれになるので、
眼光の鋭さがよく活かされていたように思います。
camuson

camuson